京浜急行線踏切事故からみる:高い利便性(メリット)にはリスク(デメリット)も伴う

9月5日に京浜急行線の神奈川新町駅前の踏切でトラックとの衝突事故がありましたね。
主な要因としては、トラックが踏切内に進入したことが挙げられています。

一方、もしかしたら、若干電車の運転士がブレーキをかけるのが遅れたのではないかと
いう指摘もあります。

ただ、人間ですので、しっかりと訓練された運転士でも、1~2秒程度の判断の遅れは、
どうしても生じてしまいますので、運転士を責めるのは酷であります。

そこで、京浜急行が自動停止装置を導入していたら、踏切の前で停車できたと
いう指摘がありますが、自動停止装置も万能ではありません。
 

2017年に小田急線で線路脇に火災が発生して、
そのときに非常ボタンが押されて、自動停止装置により電車は自動停止しましたが、
停止した場所は火災現場の目の前であったため、火災が電車に燃え移る事件がありました。

⇒ 小田急線火災事件

自動停止装置ではなくて、
逆に京浜急行のように運転士の判断で停止措置を行なえていましたら、
電車に線路脇の火災が燃え移るということはなかったでしょう。

もしかしたら、思考停止と言われてしまうかもしれませんが、どの安全対策も万全でなく、
どうしても一定数の数の事故が起きてしまいます。

鉄道会社の安全対策には限界があります。
 

そもそも、首都圏の鉄道は他の都市と比べられないほどの多くの数の電車が
走っています。

京浜急行は、時間帯によっては1時間に20本ぐらいの電車が走りますし、
並行するJRにいたっては、東海道線・横須賀線・京浜東北線が通っていて、
まるで車が走るように頻繁に電車が走っています。

普通に考えて、これだけたくさんの電車が走っていれば、いくら安全対策を講じても、
どうしても事故は起きます。

首都圏の鉄道は、利便性は非常に高いですが、当然事故のリスクも伴います。

逆に地方の鉄道は、1時間に1本しかないところも多く、利便性は低いですが、
災害等が起きない限りは、あまり事故は起こらず、リスクは低いですね。

鉄道に限らず、物事においては、
高い利便性(メリット)にはリスク(デメリット)も伴います。

 
生活するうえでこのことを理解しておく必要があります。
 

まあ、どうしても鉄道の事故を減らしたければ、本数を減らすしかありませんね。

ただし、首都圏には大量の乗客がいるので、
積み残しが発生し、さばききれなくなると思います。

根本的には、
電車を減らしても問題のないように
東京一極集中を解消するしかないということになります。

当然、これはすぐに不可能ですので、鉄道事故に遭遇するのが嫌であれば、
鉄道の通らない田舎か、
もしくは列車が1時間に1本しか走らない地方に引っ越すしかないですね。

【ポイント】
必ず高い利便性(メリット)にはリスク(デメリット)も伴いますので、
物事を決める際にどうしたいのか、どのようにバランスを取っていくのかを
考える必要があります。

利便性(メリット)に対して、
リスク(デメリット・代償)があることは把握しておいてください。

 

追伸

今回の京浜急行線踏切事故の主な要因は、トラックが踏切内に進入したことにあるが、
経緯としては、トラックが細い道に入り込んで、うまく出られなくなって、
踏切内に進入してしまっています。

トラックが細い道に入り込んだ要因としては、
京浜急行線の次の駅の仲木戸駅(京浜東北線の東神奈川駅に隣接)のところに、
第一京浜から第二京浜を抜ける道路があるが、JR線を潜るため高さ制限があり、
高さ制限を避けようと右折して、
そのまま進むと、事故現場のトラックが曲がれない交差点に行き着いてしまいます。

しかも、右折した道は、大型車通行不可の標識が分かりにくいため、今回の事故に限らず、
特に初めての人は、大型トラックが進入して、そのまま進んでしまって、
事故現場踏切の交差点で立ち往生してしまうケースが多いです。

まさにこの周辺の道路は、初見殺しのトラップになっています。

このことをふまえれば、
標識をしっかりと整備しなかった行政側の責任を問われる可能性はあります。

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