台風19号の大雨被害からみる:自然の力は強大だが、知識と行動力で減災できる

10月12日に伊豆半島に台風19号が上陸しましたが、広範囲で大雨の被害が出ており、
地域によっては、今もなおインフラが復旧しておらず、生活に大きな影響を与えています。

ただ、一方で減災できたケース・地域もあり、その共通点としては、
的確に治水の知識をつけて、
被害を防ぐための行動力があるところ(治水事業の実施したところ)であります。

 

例えば、狩野川流域(伊豆半島・静岡県東部)が挙げられます。

狩野川流域は、他の地域に比べて、台風19号による降水量が箱根に次いで多かったが、
局所的な冠水はあったものの、狩野川の堤防の決壊を防ぎ、減災することができました。

狩野川の堤防の決壊を防いだ要因のうちの1つとしては、狩野川放水路の存在であります。

台風19号と同レベルの大雨が降った狩野川台風では、狩野川放水路が未完成であったため、
狩野川流域においては、死者・行方不明者が1000人近くに上り、甚大な被害でした。

今回の台風19号も、国交省中部地方整備局によると、狩野川放水路がなかった場合は、
堤防が耐えられる水位を約1m上回り、
流域約1万6000戸が浸水、7400億円の被害が出ていたと試算されています。

狩野川放水路は狩野川台風が襲来する前から建設工事に入っていましたが、
狩野川台風襲来により、放水路の必要性を強く実感し、治水の知識を結集させて、
放水路建設のために約700億円の大きな予算をかけて被害を防ぐ行動を本気で取りました。

台風19号における狩野川放水路がなかった場合の被害額が7400億円であったことから、
建設費の元は取れており、リーゾナブルであったと言えます。

 

治水は決して無駄になることがなく、
治水知識をつけて、それに基づいて被害が防ぐための行動力(治水事業の実施)によって、
実際に減災することができます。

狩野川だけではありません。

首都圏外郭放水路や八ッ場ダムも減災につなげています。

首都圏外郭放水路によって、東京は堤防が低いところなどの元々降雨時に
浸水しやすいところのみに被害が止まりました。

もし、首都圏外郭放水路がなかったら、東京が広範囲で浸水して、甚大な被害が出て、
長期間にわたり首都機能がマヒしたことでしょう。

台風19号の影響によって天皇陛下のパレードが中止になってしまいましたが、
パレードところが、即位礼正殿の儀自体が中止に追い込まれた可能性があります。

また、八ッ場ダムも試験運用中であるため、さらにこれから検証を行なう必要があるが、
利根川流域の浸水被害をある程度抑えました。
 

一方、降水量自体は静岡県や関東に比べて少ないのに関わらず、長野県や東北地方は、
逆に大きな被害になってしまいました。

長野県や東北地方は治水事業が遅れており、自然の力を侮っていたからだと思います。

【まとめ】
自然の力は強大であり、無策のままであれば、大きな被害を被ってしまいますが、
しっかりと治水の知識を習得するようにして、被害が防ぐための行動力があれば、
すなわち治水事業を適切に実施すれば、減災することができます。

何事においても、知識の習得と行動力が大事であると言えます。

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